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多動児の安全を見守ってくれるご近所

今の集合住宅に引っ越してきて、まだ一年ちょっと。
以前は、車の通りの非常に多い道路沿いのマンションの二階に住んでました。

引っ越しの主な理由は、自閉症の双子のジャンプ。

自閉症もタイプは千差万別ですが、
ウチは嬉しくても悲しくても、やたらと飛び跳ねるタイプの子達。

階下の人に騒音で迷惑がかかるのが嫌で、
双子が飛び跳ねるたびに
「ビョンビョンしない!!」と叱りつけるのが、私の日々のストレスでした。

当時、ウチは二階の部屋で、一階は美容室だったのですが、
ここが本当にいい店長さんでした。

私が「いつも二階で子供達がうるさくてすみません」と
お菓子や果物をお裾分けするたびに、
「ウチの店は音楽がかかってて、ドライヤーもうるさいから
そんなの全然、気になったこと有りませんよ」
とやさしく言って下さる方でした。

マンションの目の前の道路には、市バスのバス停があり、
数分に一回は市バスが通る立地で
多動な双子にとっては非常に危ない立地でもありました。

双子が療育園の二歳児クラス(たんぽぽ組)の時には、
片道2車線の道路の、ちょうど真ん中にまで
長男がタタターッと走って行ってしまったことがあります。

思い出すと、今でも胸が苦しい。



突然、道路に躍り出た長男に驚いた、通りがかりのご夫婦が
「ちょっと! ボク! 車が来る!
危ないよ!! こっち来て!!」と必死で手招きしてくれて。

でも、言葉の通じない長男はヘラヘラ笑いながら、さらに遠くへ。

それが見えた私は、次男と共に、少し離れた駐車場から現場に走る。
危ない! 危ないよ! たいちゃん!!

その時、それを美容院の大きな窓ガラス越しに見ていたであろう
一階の美容院の店長さんもビックリして、
髪切るハサミを手にしたまま、横っ飛びでお店から飛び出してきてくれました。

美容室の店長さんには、双子の障害が分かった時に
「この子達は知的障害があって、言葉が分からない子で・・・」と
あらかじめ簡単に説明してあったので、
この時も瞬時に状況を察して心配してくれたのだと思います。

奇跡的に、市バスも他の車も止まってくれたので
道路に飛び出した長男は無傷でしたが、
辺りはちょっとした騒ぎになりました。

なに?あの子。
こんな大通りに飛び出すなんて、危ないわー!
ちょっとぉ! 母親、ちゃんと見てなさいよ。
・・・え、双子なの?
・・・じゃあ、まぁね、仕方ないけど

みたいな空気感。うまく伝わるかしら?


私は、わからんちんの双子を引っ掴む勢いで、
半泣きで周囲に謝り倒して、
自宅のドアを閉めた途端に大泣きしました。


長男が危なかったこと。
でも、次男も放り出せなかったこと。(双子のジレンマ)
事故になるかも知れなかった恐怖。
多動双子の安全を確保することの難しさと、自分の無力さ。
周囲の人の非難の目。空気感。

そんな、あれやこれやのもろもろに
当時の私は、ノックアウトされました。

その時、実家の母と、夫には
「泣いたって仕方ないだろう!」と言われましたが
私は不安と恐怖で、泣かずにはいられませんでした。


転居して一年ちょっと。
今でも、あの一階の美容室の店長さんを思い出します。


とりたてて「支援者」という形ではないけれど、
ああいう「ごく普通の近所の人」の目や手に
今後もウチの双子はたくさん助けてもらいながら
生きていかなくてはならないのだな、と。


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コメント

No title

双子のジレンマ痛感します。
公園で高いところに登ろうとすると制止、遠くに行こうとすると制止、端から見たら、公園でノビノビと遊ばせない母親に見えているのか、時々「心配しすぎよ」と笑われたことも(海外生活中)こちらの人たちってズバズバ言うのです、、、。私が二人に分身できたら、こんなジレンマないさって思います。
理解者がいること、理解していただくこと、そこからなのだと思いました。こうしたご近所さんこそ、本当の意味での支援者のようですね。

2015/02/17 (Tue) 00:52 | Hiro #l1PERhIk | URL | 編集
Hiroさんへ

Hiroさん、コメントありがとうございます。

ホント、双子育児って目も手も足りないですよね!
あー! どっちも危ない!!って思うこと、
山ほどありますもの。

2015/02/17 (Tue) 22:20 | hana #- | URL | 編集

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