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児童相談所の一時保護(9)

我が子が施設に短期入所している期間は、
「里心がつくといけない!」というコトで、
親は子供の顔を見ることが出来ませんでした。

だから、私は毎日、
長男の分の通園リュックと、
施設に居る次男のための通園リュックを二つ、きっちり用意して、
長男と一緒にいつも通りに園に行き、

それでも決して、
次男に私の車を見られたり、
私に鉢合わせしないように、気を遣いながらの登園でした。


我が子が、自分の生活圏内に居るのに、
顔も見ることが出来ない。

声も聴くことが出来ない。

ただ、夕方に持たされる次男の分のリュックの中身、
通園で使用した、汚れた衣類の洗濯をすることだけで、
「あぁ、今日も元気なんだな・・・」と、察することしか出来ない。


これは・・・私にとって、想像以上に苦しい初めての体験でした。


双子の片方が居ない、ということは、確かに楽。
楽なんだけど・・・それは確かなんだけど・・・やっぱり寂しい。

顔を見たい。声を聞きたい。そばに居て、触れてあげたい。
叶わないからこそか、そんなことをすごく強く思うのでした。


しかし、登園すれば同じクラスの、長男と次男。
家で顔を合わせなくても、園ではいつも通りに同じクラスで顔を合わせる二人。

先生方に園での二人の様子を聞いてみました。
すると、二人の意外な様子が分かったのです。

「長男君がほぼ毎日、おやつや給食の時間に
次男君に向かって、コップを投げつけたり、お茶をかけたりするんです・・・」とのこと。

え~!? なんで、長男が???


ワケも分からず、施設に預けられた次男が
それをやるなら、まだなんとなく気持ちは分かる。

なんで、ボクだけ、おうちに帰れないんだよー!!(怒)って、なりそう・・・。


でも、そうじゃなかったんです。
自宅で、なんちゃって一人っ子を満喫しているはずの、
いわば満たされているはずの長男が、

家から離れて施設に行っていて、帰ってこない次男に向けて、
長男は、何か伝えたいことがある?ようだったのです。


でも、それが何かはその時の私には理解も想像も出来ませんでした。


先生にその時の次男の様子を聞くと、
「普通に『濡れちゃった・・・』とか『汚れた・・・』って言って
淡々とお着替えしてます」とのことでした。

ふぅん・・・怒らないんだね。不思議―。って、私は思っていました。



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児童相談所の一時保護(8)

私は、いろいろと、考えても考えても仕方のないことを
ぐるぐるぐるぐる考えて、

それでも預けることに決めて、短期入所の荷物を園に届けて、
次男はしばらく、家族とは会えない生活に突入しました。

それが、7月初旬の出来事。


実際、次男を施設に預けてみると、
当たり前ですが、家庭で面倒を見るのは長男ひとり。

二人が一人になるのだから
障害児育児の、面倒くささや大変さは、単純に半分になるかと思いきや、
実際は、いつもの半分以下でした。
いや、いつもの4分の1?ぐらいかなぁ。

だって、この私が、
長男だけと過ごす穏やかな週末は、
ただの一度も、大きな声を出して子供を叱らずに過ごせたのです☆

本当~に、ビックリしました。


障害児も、一人だったらなんとかなる、というか、

障害児が一人だったら、
今の、それなりにハイスペックになった(双子の為、ならざるを得なかった)私なら
超余裕(いつもが大変過ぎる・・・)なんですね。

知らんかった・・・。
いつの間にか私、
一人なら、障害児、全然余裕でイケるようになっちゃってたんだわ。


期間限定で、なんちゃって一人っ子になった長男も、
次男という「刺激」の無い、家庭の中では
とても落ち着いて過ごしていたように見えました。

ただ、
生まれた時からずっと一緒だった次男の居ない生活というのは、
長男にとっては「快適」ではあっても「いつもとは違う」モノだったようです。

家庭ではとーっても落ち着いて過ごせた長男なのですが、
施設から登園してきた次男と、園で顔を合わせると、
それはまたちょっと違った反応を示したのでした。

そしてそれは、私たちの持つ感覚からいうと
「え?! どうしてそうなるの? それ、むしろ逆じゃない!?」
というものでした。



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